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2008国産ワインコンクール最終審査会(07/30)

甲府の富士屋ホテルで行われた2008国産ワインコンクールの最終審査を取材させていただきました!


国産ワインコンクールとは「国産原料ぶどうを使用した国産ワインの品質と認知度の向上を図るとともに、それぞれの産地のイメージと国産ワインの個性や地位 を高めるため」の審査会。


国産葡萄100%使用かつ1000本以上のストックがあり、開催年の12月末日までに市場に流通するワインがエントリーできます。



今年は全国23道府県の105ワイナリーより622本のワインがエントリー。毎年エントリー数は着実に増加中。今年はさらに例年に比べ全体的な質の向上が著しく、かなり審査が厳しくなったそう。昨年なら金賞レベルだったものでも今年は銀評価とのこと。


最終審査会場は4つグループに分かれていて、それぞれが担当のカテゴリーを評価します。審査は厳密に点数制なのかと思っていたら、全員で相談しながら評価を決めていました。評価の統一性をもたせるため、最高点と最低点は削った後、どこをどう評価するのか、審査員同士で意見を合わせながら審査が進んでいくそうです。


また審査員にはビンテージとセパージュは公表されるそうで、それによって評価が変わったりするそうです。また、1次審査の時の評価も考慮されるとのこと。


驚いたのはエントリーするワインのビンテージの縛りが無いということ。極端な話、1970年と2007年のワインが同じ土俵で審査されます。またカテゴリーも「欧州系品種」や「国内改良等品種」などかなりざっくりです。シャルドネもソーヴィニヨンブランもケルナーも同じカテゴリー。


そもそもこの審査は「今、購入できるワインの中で品質の高いものはどれか?」ということを評価するために始まったため、こうなっているそうです。ただ品質も向上し、エントリー数も増えてきている今、見直しの時期に来ていることも確かとのこと。


会場には山梨のワイナリー関係者の方々がお手伝いとしていらっしゃっていました。山梨県商工労働部工業振興課という行政主催のこのイベント、地元ワイナリーの協力無くしては実現不可能です。



最終審査の後は審査員によるプレス発表がありました。概要は以下の通り。


「年々品質が上がっている。また酒販店の関心が高く、国産ワインの占める売り場面積が拡大している。」


「欧州系赤ではメルローが安定した品質を見せており、またカベルネソーヴィニヨンの質も向上している。北で栽培されているツヴァイゲルトレーベも向上している。白はシャルドネが良くなってきていて、ミネラル感、凝縮感があり、樽との絶妙なバランスのワインが増えている。」


「甲州は例年通りの出来で、ボディ感があり旨みが強調された、特に辛口タイプがいいものがあった。また極甘口では今までドイツ系のものがよかったが、今年は他の品種の極甘口でよいものがあった。」



コンクールの結果発表は8月4日(月)。今ごろはワイナリー間で情報が飛び交っているのではないでしょうか。(笑)


そして8月30日(土)には表彰式と公開テイスティングが行われます。こちらは一般公募で200名限定。募集開始から数日であっという間に埋まってしまったそうです。今年は全国の酒販店からの申し込みが多かったとのこと。国産ワインの注目度は着実に上がっているようですね。実際コンクールで金賞、銀賞をとると酒販店からの問い合わせが増大するとか。


さて、結果発表まであと少し!楽しみですね♪


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プレス発表の詳細は以下の通り。


<欧州系赤>
6割が一次を通過。イオウ系の香りのする難のあるワインがあった。カベルネは未熟なものもあるが、メルローは完成度が高い。ツヴァイゲルトレーベ、シラーはこれから楽しみな品種。


<欧州系白>
シャルドネは非常にレベルがあがっていて驚いている。今までは樽が強すぎたが、樽の使い方がとてもうまくなってる。果実香とのバランスがよく取れている。またミネラルの香りを非常にきちっと造れている。ケルナーやドイツ系は辛口が増えている。今までは甘みとのバランスをとっていたが、辛口だけでよく出来ているものがあった。ピノブランは品種香が出ていた。


ワインメーカーの感度がかなり上がってきており、自分達がどういうワインを作りたいんだということを明確に出してきている。ワインそれぞれが特徴を持っている。(和食ではなく)日本の食卓を意識した白が圧倒的に多い。


<ラブルスカ系白>
23エントリーのうち10が通過。多くはナイアガラ。その特徴をどう考えるか。過度ではない上品な甘み、口に含んでバランスのいいワインが評価された。


<ラブルスカ系赤>
4エントリーのうち2が通過。若干努力をしないといけない部分がある。


<甲州>
辛口87、中甘口45エントリー、うち辛口51点、中甘口13点が通過。醸造者の甲州に対する取り組みの意欲が感じられる。辛口では甲州の葡萄を重視してミネラリティのある辛口と、樽発酵をして複雑性のある辛口という二つのタイプに大別。樽発酵は甲州らしさを失っているという意見と、複雑性を増しているという二つの意見があった。甘口は甘さと酸の調和、ボディ、旨みのあるワインの評価が高かった。熟成中に酸化傾向のあるワインは評価されなかった。また醸造方法で欠点のあるものについては極端に点数が悪くなっている。全体に辛口タイプへの改良の努力、品質の向上が感じられる。葡萄の品質が向上することにより、さらにワインの質が向上するだろう。


<国内改良品種赤>
82エントリー、マスカットベリーAに力を入れている。フレッシュタイプと熟成タイプの2種類を審査。マスカットベリーAの特徴のある香りのあるものは減って、熟成して付加価値をつけたタイプが増えている。ただ欧州系赤と比較するとどうしても劣ってしまう。中には非常によいものがあった。


<国内改良品種白>
24エントリー、セイベルで非常に良いものがあった。


<ロゼ>
28エントリー、将来よいものが出てくるのでは。


<極甘口>
23エントリー。非常に良いものがあった。アイスワインタイプと貴腐ワインタイプ。貴腐ワインの非常に古いタイプのものでとても良いものがあった。ナイアガラでも高品質のものがあった。


<ボルドー大学 ジル・ド・リベル審査員>
日本のワインの品質は向上しており、技術の向上を感じる。欠点のあるワインが少なくなってきていると感じる。品質の特性がよく出ているものを評価した。品質の特性が良く出ているものを味わうと幸せな気分になります。甲州は品質が向上していて、樽と残糖が少なく、とても甲州に敬意を払った造りをしている。心地よいワインが多かった。


<オーストラリア、ワインジャーナリスト、デニス・ガスティン審査員>
赤のエントリーが増えていることは喜ばしい。また広範囲のエントリーがあったのも良い。ツヴァイゲルトレーベのエントリーが増えている。またオーストラリア人としてはシラーが増えていることがうれしい。またブレンドへの取り組みも行われており、中には5種類のブレンドのうち4種類が初めて聞く品種だったものもある。新しいスタイルを見つけようとしている。審査会の結果は努力しているワインメーカーたちにとってはさらに励みになると思う。


<輸出に関して>
海外市場に受け入れられるスタイルのものを造ること。複雑な果実味のあるもの、バランスのよいもの。シドニーには日本食レストランが600件あるにも関わらず、どこにも国産ワインが無い。ここに機会がある。


<国産ワインの今後の課題>
いかに地域に合った葡萄を作るか。欧州系白の7割はシャルドネ、それ以外は満足いくところに達していない。今後はシャルドネから其々の品種に走っていくのではと感じる。甲州はブドウ栽培をワイン醸造用に向くように、変えていかなければならない。マスカットベリーAは今後どうやって特徴を出していくのか、ということの研究を今後深めていく方向へシフトしていく。


品種の選択をしなければならない時期に来ている。実験期間が長すぎる。どれが日本のテロワールに合うか見極めて、諦めなければならないものも出てくると思う。単一種にこだわるのではなく、もっとブレンドを考えてもよいのでは。栽培地ではテロワールに着目してよい土地を見極め、選択していくのが大事。


日本のワインメーカー達と話をすると「8-9割の仕事は畑で行われる」と言う。醸造技術は高いので、残りのすべきことは畑にある。畑に対してより管理、コントロールができるようになればより良いワインが出来るようになるでしょう。

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